Interview
エンジニア組織に必要なのは
早く小さく失敗すること
エンジニア組織に必要なのは
早く小さく失敗すること
ちゅらデータ CTO
2019年入社
高度情報学科卒
自己紹介
また、業界のトップランナーとして国内のトレンドを作っていくために、各種のイベント登壇やコミュニティ活動も行っています。海外の優れた技術を私たちが吸収して世の中に発信することで、お客様に正しい情報を届けられるからです。社内のメンバーにも良い技術は積極的に発信するよう推奨しています。
入社の経緯
過去のキャリアと入社の経緯を教えてください。
入社前には、金融業界のSIやコンシューマー向けのWebサービス、さらにはゲーム開発会社のCTOなども経験し、大規模なデータを扱ってきました。ちゅらデータやDATUM STUDIOのことを知ったのは、友人からの紹介がきっかけです。「最高に面白い仕事を沖縄に創りたい!」という理念で立ち上げられたユニークな会社に興味を持ちました。
ちゅらデータが得意とするデータプラットフォーム構築は、自分にとって興味関心の高い領域でした。インフラエンジニアとしての経験も活かしながら、面白い仕事ができると思いましたね。2019年当時は、AIを自社サービスに実装しようとする企業が急増。社会的なニーズが高まっている中で、新たな価値を提供していきたいという思いで入社しています。
DATUM STUDIOでの仕事
データエンジニアの役割について教えてください。
メインワークは、データプラットフォームの基盤を作ることです。日々の業務ではお客様やデータサイエンティストが分析しやすいように、データをきちんと揃えていくことを意識しています。使用する言語は、SQLとPythonが多いですね。学生時代にPythonを使うことがあったとしても、SQLに触れる機会はほとんどないのではないでしょうか。SQLはデータエンジニアの業務で身につく言語であり、しっかり学ぶと数十年使えるのでおすすめです。
プログラミング言語以外で言うと、例えばLinuxを始めとしたサーバーを構築する技術や、VSCodeやGitを用いたチームでの開発技術があります。覚えることは多いですが、データプラットフォームを作れるエンジニアは市場価値が高く、どのチームからも求められます。ネットワークやセキュリティデータベースについても詳しくなれるので、おすすめしたいキャリアの一つですね。
プロジェクトを進める上で大事にしていることを教えてください。
データ業界では本当に良いものが毎月のように新しく出てきて、それを活用して機能拡張していくのが当たり前なので、新たな技術を積極的に検証することが大切です。エンジニアが実際に見て、触って、使ってみる。その肌触りをチームメンバーに共有しながら、最適な技術を取り入れるようにしています。あとは、お客様にとっての導入コストですね。技術的にどれだけ優れていても、投資対効果に合わないものは採用されません。
お客様の事情を汲み取りつつも、私たちが本当に良いと思うものを提案していくことが大事だと思います。例えば、その技術がオープンソースで公開されている場合は、ソースコードはもちろん、イシューやプルリクエストも見た上で推奨するかどうかを判断しています。もし使いづらいオープンソースやソフトウェアがあれば、自分たちでプルリクエストを出すこともあります。
DATUM STUDIOでのキャリア
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2019
ちゅらデータ入社 CTOに就任 -
2020
多数のデータプラットフォーム構築に携わる -
2021
DATUM STUDIO 執行役員に就任
Snowflakeが先駆的な技術者を表彰する「Data Hero of the Year」に選出 -
2022
執行役員とデータエンジニアリング本部長を兼務
全社の技術戦略を指揮 -
2023
LLM(大規模言語モデル)を活用して複数のお客様に伴走 -
Now
AIプラットフォームの構築やオンプレミスのシステム刷新を推進
入社後、印象に残っていることを教えてください。
入社前は、データサイエンティストに求められる統計や数学の知識がエンジニアにも必須だと思っていましたが、現場で必要とされるスキルは、それとは異なりました 。エンジニアにとって、理数系の知識はあるに越したことはないですが必須ではない。それよりも開発をスピーディーに進めるエンジニアリングのスキルが求められます。今まで培ってきた開発技術を活かしながら、データサイエンティストと連携していくことが大切だと感じました。
また、データプラットフォームが全盛になった2020年以降、DATUM STUDIOには優秀なメンバーが続々と加わっています。研究職出身者はもちろん、他社でCTO経験のあるエンジニアやエバンジェリスト、外資系のコンサル出身のメンバーまで、さまざまなバックグラウンドを持つメンバーがジョイン。お互いに刺激を受けながらスキルを高められる環境だと思います。
トップランナーであり続けるために必要だと感じていることは?
自分の専門領域に対して、誰よりも真摯に取り組むことが重要だと思います。トップランナーになるためには、知識や経験を積み上げていくことが絶対的に必要なのですが、ひたむきに探求しないとすぐに知見が古く浅くなってしまう。外部からの刺激も受けながら、自分の得意領域を掘り下げていくことが大切です。私自身もたくさんのデータ基盤に携わるなかで、いつの間にかDATUM STUDIOの執行役員になっていました。
その後も先進的なプロジェクトに取り組み続けてきましたが、2021年にはSnowflake 社が先駆的な技術者を表彰する「Data Hero of the Year」に選出していただくなど嬉しい出来事もありました。今後はより付加価値の高いAIモデルの開発や、MLOps(機械学習基盤)を提供できるように開発を進めていければと考えています。
エンジニアたちのマネジメントで心がけていることを教えてください。
エンジニアたちには「早く小さく失敗する」ことを勧めています。私たちの業界で常に求められるのは開発スピードですが、新たな挑戦で最初から上手くいくケースは稀です。とにかく手を動かして小さな失敗を繰り返した方がメンバーは成長できますし、お客様に大きな価値を提供できます。もちろんその裏側では、いつでもサポートできるように体制を整えています。
また、エンジニアのチームの中では自発的に勉強会を開催したり、新しい技術の感想をSNSなどにアップしたりすることで、組織の成長が加速していきます。他のメンバーにも彼らの挑戦心が伝播していくからです。全員が楽しみながら新しい技術に触れ、自然とスキルが高まっていく。常にワクワクしながら手を動かせる開発チームを目指しています。
DATUM STUDIOで描く未来
最後に今後やってみたいことや実現したいことを教えていただけますか。
データ領域の最前線で、どこよりも早く優れた技術をお客様に提供していきたいと考えています。ニーズが日々アップデートされるデータ領域において、未来を予測して緻密に計画を立てるのは現実的ではありません。新たなトレンドを日々追いかけ、迅速に適応していくことが大切です。ありがたいことにDATUM STUDIOは、お客様から最先端の課題や開発要件をいただくことが多いので、技術レベルや提案力がどんどん高まっています。この成長サイクルを維持しながらも、社内のエンジニアたちがさらに活躍できるような環境整備に努めていきたいと思います。
また、私たちはデータを専門に扱っていますが、社内のメンバーをデータの情報だけで一方的に評価することはありません。一人ひとりの強みをどこまでも伸ばしていくことにフォーカスしています。個性が全く異なるメンバーでチームを組んだ方が、カバーできる範囲が広がっていくからです。自分の強みも弱みも全部活かせる環境なので、無理せずありのままの自分で成長したいエンジニアにはおすすめです。